あなたがこの記事を読もうと思ったのは、チェンバロで弾くバッハの曲に興味があるからではないでしょうか?
そんなあなたに是非お勧めしたい曲があります!
それは、ドラマ・アニメ・映画と大ヒットを記録した、二ノ宮知子さんの漫画が原作の「のだめ・カンタービレ」で、千秋真一が演奏していた「チェンバロ協奏曲第1番 ニ短調」という曲です。
ドラマでも流れたので、聞いたことがあるという方も多いかもしれませんね^^
こちらなら知名度もあり、最初に聞くのにとてもおすすめです!
もちろん聞いたことがあるというかたも、ぜひもっと詳しく知りたくありませんか?
今回の記事では、この作品についてを、とても詳しく深堀して、ご紹介していきます!
聞いたことがあるよーという方も、まだの方も、ぜひこちらを読んで知識を深めていただけると嬉しくおもいます^^
バッハってどんな人?
音楽室には必ず肖像画が飾られているバッハですが、皆さんもきっと1度は、「バッハ」という名前を聞いたことがあるのではないでしょうか?
一般に良く知られているバッハは、このチェンバロ協奏曲の作曲者でもある「ヨハン・セバスティアン・バッハ」という作曲家です。
「バッハ」は名字で、この一番有名なヨハン・セバスティアンの他に、彼の息子たちも実は有名な音楽家です。
一番有名なこのお父さんバッハのことを日本では「大バッハ」とも呼びます。
素晴らしい作曲家で、とても素晴らしい作品を数多く残していますが、バッハが活躍したバロック時代には、彼の他にも素晴らしい作曲家は沢山いました。
ですので、どちらかというと、この大バッハは生前には人気がありませんでした。
しかし、現在は世界中にこの作曲家を神格化するくらい、どっぷりなファンが多くいる作曲家です。
この「大バッハ」が残した、今回のご紹介する協奏曲は、「チェンバロ」ための作品の中でも名曲と言われるに相応しい、完成度の高さを誇る作品ということもお勧めすることの一つです。
チェンバロってどんな楽器?
では続きまして、この曲の名前にもついている「チェンバロ」とはどういった楽器なのでしょうか?
チェンバロとは、「ピアノの前身の1つといわれる鍵盤楽器」です。
ピアノとの大きな違いは、その発音の仕方です。
ピアノは鍵盤を押すと中についているハンマーが跳ね上がり、弦を打って音を出していますが、チェンバロは弦を小さな爪で弾いて音を出しています。
大バッハの生きていた時代には、ピアノも既に姿を見せつつありましたが、まだまだチェンバロが主流でした。
現代では、バッハや同時代の音楽家が使っていたであろう、博物館などに所蔵してあるチェンバロをモデルに、複製が作られ、演奏されています。
日本でもチェンバロの演奏会は増えてきていますので、是非一度生の音を楽しんでみてくださいね^^
協奏曲とは?
イタリア語の「Concerto」という言葉を日本語訳して「協奏曲」と言っていますが、協奏曲には沢山の種類があります。
今回紹介する、バッハの時代の協奏曲は「ソロ協奏曲」と言い、下記の形が多くみられます。
- 1人以上のソロ楽器・・・主役です。奏者の技術を見せつけるような、華やかなパート
- 2台以上の高~中音域が出る弦楽器・・・ヴァイオリン、ヴィオラなど
- 1台以上の低音が出る楽器・・・チェロ、コントラバスなど
ちなみに、バッハの「チェンバロ協奏曲」は下記の形と書かれています。
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☆バッハの自筆譜はこちら!
一番低いパートを基盤にして、和音をつなげ、メロディーを作って作曲する技法のことです。
分かりやすく例えると、「家の土台ともいえるパート」です。
バロック時代にはこの一番低いパートから作曲が始められる事が多く、バッハもそのようにしていました。
ですので実は、バロック時代の複数の楽器のための曲なのに、チェンバロがソロの楽器を務めることは珍しいことなのです。
チェンバロは、だいたいがこの通奏低音のパートを演奏することが多かったのです。
- 1つのメロディーしか出せない楽器だけで、メロディーだけを弾く場合→チェロ、ファゴットなど
- 和音が出せる楽器で、低音メロディー+主要な和音を即興で加えて演奏する場合→チェンバロ、オルガン、ギターなど
- 1. と 2. の両方の種類の楽器で弾く場合→チェロ+チェンバロ、ファゴット+オルガンなど
「何の楽器で弾くか?」また「何人で弾くか?」を指定されている場合もありますが、そういった指定が無い場合も多く、このチェンバロ協奏曲も楽器の指定がありません。
チェンバロ協奏曲第1番について
この協奏曲は、全部で「3つのまとまり」に分けられて作られています。
このまとまりを「楽章」と言います。
楽章ごとにテンポが違ったり、表情が違ったりしていますが、下記の3つの楽章を合わせて、1つの曲として成り立っています。
(協奏曲の3つの楽章の構成)
第1楽章 | アレグロ | 快活に、元気に ※1 |
第2楽章 | アダージ | ゆったりと、くつろいで |
第3楽章 | アレグロ | 快活に、元気に |
※1 バッハの自筆譜には表記がありません。他の原典資料にはあります。
またこの協奏曲を含めて、バッハの作品には、構成の研究者が作品を整理するために番号が付けられています。
「BWV」というのがバッハの作品整理番号の表記です。
ちなみに、この「チェンバロ協奏曲 第1番」は「BWV1052」です。
- アレグロ=速く~・急速に
- アダージョ=遅く~
上記のように書いてある、書物やインターネット中のページが多いですが、これらは本来の意味から外れた使い方です。
この協奏曲の各楽章はバッハが他の作品にも転用しています。
ご興味のあり、音源を聞いてみたい場合は、下記をYouTubeなどで検索してみてください。
- カンタータ 第146番 BWV146
- カンタータ 第188番 BWV188
作品番号のみで検索すると見つかりやすいですよ。
例)BWV~ など
今回の記事のまとめ
いかがでしたか?
改めてこの記事を参考に「バッハのチェンバロ協奏曲第1番 ニ短調」を聞いていただくと、いろいろと面白いのではないでしょうか?
ピアノのバージョンも良いですが、本来のチェンバロ・バージョンもとてもかっこいいですので、興味をもたれた場合はぜひ聞いてみてくださいね^^