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チェンバロとピアノはどこが違う?3つのポイントを解説!

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最近では演奏会でよく見かけるようになった「チェンバロ」ですが、ソロ、小編成のアンサンブル、オーケストラや合唱曲など、色々なシーンで使われていますね。

 

ピアノの前身とも言える楽器ですが、ピアノとはどこが違うのか」ということは、あまり知られてないのではないでしょうか?

 

今回の記事では、そのチェンバロとピアノの違いについて、いくつか詳しくまとめましたので、ご紹介したいと思います!

 

 

 

★チェンバロについての記事はこちらも読まれています^^

チェンバロの魅力は?バッハおすすめの1曲はこれ!

 

チェンバロはいつ頃から使われていたの?

チェンバロの起源は実はよくわかっていません。

しかし、1397年の文献にチェンバロのことと思われる記述があります。

 

チェンバロが人気を博したのは16世紀から18世紀のヨーロッパで、その後は人気が衰退していきました。

 

現在は、博物館等に所蔵してある過去の楽器をモデルに製作された楽器が主に使われていますが、オリジナルの楽器の中にも、現在も演奏可能なもの、あるいは弾けるように手を加えられたものもあります。

 

 

「チェンバロを弾くオーストリア皇女マリー・アントワネット」

引用:フランツ・クサーヴァー・ヴァーゲンシェーン作

 

 

 

チェンバロ演奏の動画をいくつかご紹介します

 

★フランス人のチェンバロ奏者、ブランディーヌ・ラヌーの「チェンバロ・リサイタル」の様子です。

全曲ジャン=フィリップ・ラモという18世紀のフランスで活躍した作曲家の作品です。

引用:YouTube

 

 

 

★イタリア人のチェンバロ奏者、リナルド・アレッサンドリーニの「チェンバロ・リサイタル」の様子です。

全曲 J.S.バッハの作品です。

引用:YouTube

 

チェンバロとピアノの構造の違い

では実際に、チェンバロもピアノは見た目がよく似ているなかで、どこが違うのでしょうか?

大きく分けるとつのポイントがありますので、こちらを解説していきます!

 

発音の仕方の違い

一番大きな違い発音の仕方です。

 

ピアノは、鍵盤を押すとハンマーが跳ね上がり、弦を打つことで音を出しています。

 

一方チェンバロは、鍵盤を押すと、鍵盤の先に垂直に乗っている板(ジャック)が梃子の原理で上がり、そのジャックに付いている小さな爪(プレクトラム)が弦を下から弾いて音を出しています。

 

この爪は、16~18世紀当時 鳥の羽根の軸 が主に使われていました。

しかし現在では、プラスチックや合成樹脂が使われることが多くなりました。

 

またチェンバロにはペダルがついていません。

 

ピアノはペダルによって音を長く延ばしたり、すごく弱く打弦したりすることができますが、チェンバロは構造上、音を延ばしておきたい間は指を鍵盤の上から離すことが出来ません。

また、ピアノのように打鍵での強弱を大きくはつけられないので、奏法も楽器に沿った奏法が求められます。

※打鍵でも強弱をつけられますが、ピアノとは違った技術が必要です。

 

 

こちらの英語の動画に、チェンバロの中の様子が少し登場していますので是非参考にしてみて下さいね^^

引用:YouTube

 

1分3秒あたりからチェンバロの発音の様子が紹介されています。

 

 

弦の種類

2つ目の違いは、弦の種類です。

 

現在使われているピアノは、実は建築機械や工作機械にも使われるような硬い鋼鉄の弦が張られています。

一方で、チェンバロでは元にした楽器にもよりますが、鉄や真鍮を材料にした弦を使っています。

 

ピアノの弦は滅多に切れることはありません。

しかし、チェンバロの弦はピアノに比べて繊細なため、温度や湿度の変化によって切れることが珍しくありませんし、調律も狂いやすくなっています。

 

しかし、良い点もあります。

それは、その分調律も弦の交換も簡単であるということです。

少し練習さえすれば、ピアノのように調律師さんにお願いしなくても所有者自身で管理することができます。

 

鍵盤の数

3つ目は、鍵盤の数の違いです。

 

ピアノもチェンバロも楽器の大きさには様々なサイズがあります。

その中で、ピアノの鍵盤は音域が88鍵(7オクターブ強)と決まっているのに対して、チェンバロの鍵盤の数・音域はさまざまです。

 

 

元になったオリジナルの楽器の様式やスタイルによって、4オクターブのものもあれば、6オクターブある大きな楽器もあります。

 

また、チェンバロは容姿もさまざまです。

 

書き出していくだけでも・・・

  • グランドピアノに似たもの
  • 長方形のもの
  • 多角形のもの
  • 二段鍵盤のもの
  • 一段鍵盤のもの
  • 鍵盤の白鍵と黒鍵がピアノと逆のもの
  • 鍵盤の白鍵と黒鍵がピアノと同じもの

など、とてもたくさんのバラエティがあります。

 

 

★下記のHPでは、上記で挙げた以外にも、いろいろなチェンバロの様式が紹介されていますので、参考にしてください^^

参考:チェンバロ製作家久保田彰さんのホームページ

 

 

今回の記事のまとめ

いかがでしたか?

 

まだ細かい点では違っているところもありますが、今回は、大きく違う3つのポイントを詳しく解説させていただきました!

 

ここまで読んで頂けるとわかりますが、ピアノとチェンバロとは見た目こそ似ていますが、中身は全く違う楽器だということがわかりますね?

ですので、比べる事にはあまり意味がないのかもしれません^^

 

しかし、今回は比較することでチェンバロとピアノがそれぞれのよくわかってもらえたのではないでしょうか?

 

それぞれの良さを生かした美しい音楽を、自由にのびのび楽しむために、こちらの記事を参考にして頂けたら嬉しく思います!