喪に服す期間にあたるうちはお祝い事を控え、亡くなった人のことを思いながら過ごすということが習慣になっています。
身内が亡くなっておおむね1年は「喪中」にあたり、たとえば年賀状を出さないようにすべきといったことは多くの人が知るところでしょう。
ただ年末にあたるタイミングで身内に不幸があったとなると忘年会や新年会、もっと言えば単なる飲み会であっても参加すべきかどうかという判断に悩むところがあります。
お祝い事を控えるべきであるとされていても、どこまでを控えるべき対象に含めるべきかの線引きは難しいでしょう。
近年は慣習となっていたことが、時代の流れとともに変化しているところもあります。
今回の記事では、喪に服す期間の忘年会や飲み会への参加はどうするのか、会社での対応についてもくわしくご紹介します。
あとから常識がない人と思われても嫌ですものね
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喪に服す期間に飲み会に行ってもいいの?
喪に服す期間については、1年が目安とされます。
身内が亡くなってから1年が「喪中」にあたり、それと別に身内が亡くなって49日以内は「忌中」です。
その間にはお祝い事だけでなく、派手なこともしないということが風習とされてきました。
この「派手なこと」というところが抽象的であるために、わかりにくくなった所以でしょう。
慣習としては初詣や結婚式、またお祭りに飲み会なども行かない方が良いとされていたのです。
ですが最近は、従来のように喪に服す期間を過ごしているという人はきわめて少なくなりました。
このあたりは、地域による違いもあるところです。
たとえば地方で高齢者が大勢を占めている集落などですと、古くからの風習がそのまま残っているというケースもないではありません。
そのような地域であれば特に、飲み会への参加は控えた方が良いでしょう。
四十九日を過ぎて以降であれば、状況によっては周囲と相談しながら判断するというように柔軟な対応をとることが良しとされています。
ただ忌中に関しては、飲み会は極力控えるべきです。
もしも職場で大事な取引先などとの飲み会があらかじめ設定されていて喪に服すこととなった場合は、判断を上司へ仰ぐか礼儀として顔は出して途中退席するといった考え方もあります。
喪に服すときの忘年会は?
喪に服す期間が年末年始に重なると、行事も多い時期であるため判断に悩む場面も多くなります。
交流が活発な友達であれば、喪中であることを知っていて誘いは控えてくれるということもあるでしょう。
ですが職場の忘年会などですと社員全員へ一律に案内が出されるものですから、基本的に例外とはなりません。
亡くなった人との関係性によっても対応は異なり、少なくとも二親等までの不幸に際しては喪に服すべきとされています。
そうでなくても精神的なダメージが大きく、忘年会へ参加するような心境ではないということであれば、相談した上で断っても問題はありません。
断り方としては、素直に事情を説明するに限ります。
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喪中の人への誘いは周囲が配慮する必要がある
喪中期間中に社内の飲み会や忘年会、新年会などに誘われた場合、どのようにして断りをすればよいのでしょうか。
喪中になってまだ日が浅い場合、喪中期間中の人はまだ精神的なダメージから抜け出せていない場合が多いため、本来であれば周りがそれを察して飲み会への誘いはするが欠席扱いにしておくといった配慮をする必要があります。
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これは喪に服する時期がまた別で、たとえば歓迎会があるような場合にしても対応としては同様になります。
そのほか喪中の時期に進学や就職、転勤などがあって歓迎会が予定されていたという場合はまた難しいところでしょう。
対象者が何人もいれば上司や先輩らに相談した上で欠席ということでも良いのですが、「自分だけの歓迎会」であると悩ましいところです。
それでも喪に服していることは話しておくべきであり、先方に良識があれば会を延期するなどの配慮があってしかるべきということになります。
なおどうしても行かなければならないというときには最低限、会場へ顔を見せるだけでも義理は果たしたことになるでしょう。
喪に服すとき 会社ではどうする?
社会人となると、喪に服すときにも会社でとるべき対応には気を付けなければなりません。
たとえば喪中の間に新年を迎えたときには「おめでとうございます」のフレーズを使ってはいけないとされています。
しかしながら職場でそのように対応すると、事情を知らない人からは非常識であると思われかねません。
必要に応じて、喪に服していることを明かしても良いでしょう。
新年の挨拶をするときには「おめでとうございます」などといった祝いのフレーズを使わず「今年もよろしくお願いします」などとすることがベターです。
また不幸があった直後には忌引き休暇を取得することになりますが、その日数については基本的に職場が規程として等親に応じた日数を定めています。
休暇明けには、休んだことに対して上司や同僚へ挨拶することも忘れてはいけません。
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【休暇復帰後、上司へのあいさつ例】
「この度は急な休暇をいただき、ありがとうございました。ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。葬儀も無事に終わらせることができました」
「忙しい最中に、急にお休みをいただき、申し訳ありませんでした。通夜も葬儀も滞りなく終わりました。ありがとうございました」
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引用:忌引き休暇をとる際のマナーや会社での報告のしかたについて
なおマナーとしてお中元やお歳暮を贈っている場合、喪に服する間でも忌中にあたる期間は控えるべきとされています。
その後であれば、喪に服している期間に該当していても贈ることに問題はありません。
今回のまとめ
いかがでしたか?
今回は、喪に服す期間の忘年会や飲み会への参加はどうするのか、会社での対応についてもくわしくご紹介しました。
改めて要点を抽出しますと、
・喪に服す期間でも忌中、不幸から四十九日以内でなければ飲み会へ参加することは許容される向きとなってきています。
・喪に服す期間の忘年会に関してはあらかじめ相談し、参加しない結論となるようにしたいところです。
・会社で喪に服す対応をとると事情がわからない人には非常識であるとして受け取られかねないため、必要に応じてあらかじめ状況を説明しておきましょう
喪に服す期間は、特に忌中である四十九日までですと飲み会や忘年会といった場への参加を控えて過ごすこととされています。
それ以降のタイミングであれば、喪に服しているとしても自分なりの判断で参加するかどうかを決めて良いでしょう。
ただし不幸があってから1年間が喪中であることに変わりはありませんから、そこはわきまえて過ごさなければなりません。